34年振りの円安ドル高水準|為替介入はある?

34年振りの円安ドル高水準|為替介入はある?

2024年3月27日、外国為替市場で円相場が1990年7月以来34年ぶりの円安水準である1ドル=151円97銭まで下落しました。

日本銀行(日銀)がマイナス金利をを解除しましたが、円安傾向が続いています。

円安の長期化は大企業の業績に追い風になる半面、国内のインフレ圧力を高め個人消費に影を落とすことになります。

円安の原因はどこになるのでしょうか?また、為替介入はあるのでしょうか?

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円安ドル高が進んでいる原因は?

為替の動きには複数の要因が絡みますが、今回の円安の最大要因は日米の金利差。

日銀はマイナス金利政策を解除し、大規模金融緩和の修正に舵を切りましたが、緩和的な状況が続くと予想されています。

日銀の植田和男総裁は3月19日の決定会合後の記者会見で「緩和的な金融環境が続く」と指摘。

また、利上げに積極的な「タカ派」とされる日銀の田村直樹審議委員が「当面、緩和的な金融環境が継続する」と発言し、低金利が続くと市場に受け止められました。

一方、米国はインフレ傾向が続き、早期の利下げ観測が後退しています。

 

為替介入はあるのか?

日本の財務大臣は、円安に対する政府の対応として「高い緊張感を持って市場の動きを見ている」と述べ、過度な変動に対しては「あらゆる選択肢を排除せず適切な対応を取りたい」と強調しました。

財務大臣や財務官が口先介入を繰り返していますが、効果は限定的。

また、実際に為替介入に踏み切ったとしてもどこまで円安傾向を修正できるか効果は未知数です。

ドル売り円買いの為替介入は一時的に円の価値を支えることはできますが、根本的な問題を解決できるわけではありません。

その理由は、政府がドル売り円買いの為替介入に使えるドルには限りがあるから。

円売りドル買い介入は原資である円を無尽蔵に準備できますが、ドル売り円買いの為替介入の外貨準備には限界があるため、長期的な解決策にはなり得ません。

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今後のドル円相場の動き

今後も円安傾向が続くのでしょうか?

本格的に円安傾向が修正されるには、日銀の更なる利上げ観測や米国の早期利下げが予想されることによる日米の金利差縮小が必要となるでしょう。

現在のような日本は緩和的で米国が引き締め的な状況下では円安傾向が続くと思われます。