日本では今後、更に少子高齢化が進んでいくことが予想されます。その中で、社会保障(公的年金や公的医療保険など)は削減されていく可能性が非常に高いことは容易に想像できます。
公的年金でいえば、マクロ経済スライドの強化により、物価が上がっても年金額は物価上昇ほど上がらない仕組みが導入されています。支給される額は減らなくても実質的に年金額は減ってしまうことになります。
また、現在65歳から支給されている老齢年金は、支給開始年齢の引き上げも議論されています。
今後の日本では、どう考えても公的保障だけではなく、自助努力が必要となっていきます。資産運用など、老後資金の準備を考えていかなければ、老後に大変なことになる可能性があります。
貯蓄をしているから大丈夫!という方もいるかもしれません。しかし、お金を積立てているだけだと、インフレ時には額面は減っていないくても実質的価値は目減りしてしまいます。
参考:インフレのリスクとは?
そこで、今回は資産運用をする上で、知っておいた方が良い投機と投資の違いや保険で資産運用が可能なのかを解説したいと思います
目次
1.投資とは?
投資とは、将来が有望な投資先に、中長期的に資金を投じ、収益を得ることです。
株取引を例にすると、今後、成長が期待できそうな企業にお金を投じるのが投資となります。企業が成長すれば、配当(インカムゲイン)という形で投資家に還元されます。
また、企業の成長により、企業価値が上がれば、株価も上がり、株の売却益(キャピタルゲイン)が得られます。
投資は付加価値を生み出すような企業等にお金を提供し、生み出された付加価値から得られる収益を還元してもらう行為で、企業の発展や社会の発展を通し、お金を増やす行為です。
2.投機とは?
投機とは、機会(チャンス)にお金を投じることです。
お金を儲けるための機会(チャンス)に注目し、その投機対象の資産価値が増えるかどうかには注目しません。
投機は、誰かの利益がほぼ誰かの損失になる「ゼロ・サム」のゲームです。短期的でギャンブル性が高く、リスクも高くなります。
投機は、短期間で大きな利益を上げられる可能性がありますが、その反面、短期間に大きな損失を被る可能性もあります。
3.投資と投機の違いとは?
投資と投機はどのように違いのでしょうか?投資と投機の違いについて具体例で考えてみたいと思います。
・ビットコインなどの仮想通貨取引は投資か投機か?
一時、1ビットコインが200万円を超える価値になり、大きな話題となったビットコインなどの仮想通貨ですが、仮想通貨取引は投資なのでしょうか、投機なのでしょうか。
仮想通貨投資などという言葉もありますが、仮想通貨取引は投機的な取引になります。
「ブロックチェーン技術」などは、有用な技術であることは間違いなく、今後活用されることも増えていくでしょう。しかし、ビットコインなどの仮想通貨取引は、基本的に安く買って高く売るか、高く売って安く買い戻す取引です。
つまり、仮想通貨取引で差益を出すためには、値動きに注目し、機会(チャンス)にお金を投じることによって儲けを出す方法がメインで、投機的であることは間違いないでしょう。
・FX(外国為替証拠金取引)は投資か投機か?
FX(外国為替証拠金取引)も投機的な取引といっていいでしょう。FXは、為替の値動きで稼ぐことがメインとなりますので、儲けを出すための機会(チャンス)にお金を投じる投機的な取引になります。
なお、FXは為替の値動きだけに注目するのではなく、金利の高い通貨を購入するとスワップポイントが付く点に注目し、金利収入を狙う形の取引方法もあります。
・株式取引は投資か投機か?
株式取引は投資でしょうか、投機でしょうか。
株式取引に関しては、投資的な取引もできますし、投機的な取引もできます。
例えば、これから大きく成長しそうな企業の株を買い、配当収入などを目的として中長期で保有する場合、投資的な取引となります。
一方、デイトレーダーのような短期の値動きに注目して株を取引きするような場合には、投機的な取引となります。
株は投資の対象と思われている方が多いと思いますが、短期間に利益を狙うようなデイトレードなどの売買手法によっては、株取引も投資ではなく、投機に該当します。
4.投機で稼ぐことはできないのか?
なお、投機はリスクが高いですが、投機的な取引は悪で、一切お金を生まないというわけではありません。
投機についても研究をし、自分でリスクをコントロールできるようになれば、稼げるようにもなる方もいるでしょう。しかし、初心者には向きません。
投資を始めようとすると、FXで億を稼いだとか、デイトレーダーが20代でセミリタイアしたという情報に気を取られがちですが、初心者が投機に手を出すのは非常に危険です。
最初に投機に手を出し、ビギナーズラックで大当たりすればいいですが、最初に手痛い損失を出すと、二度と資産運用に興味を持てなくなる可能性もあります。
初心者は短期間の儲けに注目することなく、長期的な視点で投資をした方がいいでしょう。
5.保険で資産運用は可能か?
保険で資産運用は可能なのでしょうか?
保険で資産運用をすることは可能です。変額保険などを活用することにより、インフレリスクに対応した資産運用も可能です。
ただし、支払った保険料の全てが積み立て(運用)に回るわけではないなどの、保険で資産運用を行うデメリットについても理解しておく必要があります。
参考:老後資金の貯め方|老後資金を保険で準備できる?
また、保険で資産運用は可能ですが、どの商品を使ってもいいというわけではありません。例えば、老後資金の準備といえば、円建て定額の個人年金保険をイメージされる方が多いでしょう。
しかし、現在のような低い予定利率では、円建て定額の個人年金保険を活用することは、メリットが少なく、インフレ時には、受け取る年金が実質的に目減りしてしまうデメリットもあります。
参考:個人年金保険への加入前に押さえておくべき3つのデメリットとは?
まとめ
資産運用を行う際には、ハイリスクハイリターンやハイリスクローリターンはあっても、ローリスクハイリターンな方法はないと思った方がいいでしょう。
よく、投資詐欺などで、年率30%の配当が出て、元本保証というような投資話がありますが、そのようなローリスクまたはノーリスクハイリターンな投資手法はないと注意すべきです。ローリスク(ノーリスク)ハイリターンの投資話を聞いた時には詐欺かなと思うくらいでちょうどいいと思います。
なお、保険でも資産運用を行うことは可能ですが、保険で積極的に資産運用することはおすすめできません。純粋に資産運用だけがしたいのであれば、「NISA」や「つみたてNISA」の活用をおすすめします。
また、保険で資産運用する場合には、どの商品を活用するかを十分検討することをおすすめします。
- どのような保険を選んだらいいのかわからない
- 今、加入している生命保険が、どのような保障内容になっているか確認してもらいたい
- 見直し方をアドバイスして欲しいが、誰に相談していいか分からない など
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