生前に大きな一時金を受け取れる三大疾病保障保険とは?
- 2017.12.22
- 三大疾病保障保険
生前に大きな額の一時金を非課税で受け取れる三大疾病保障保険をご存知でしょうか。
三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)で保険会社所定の状態に該当すると、生前に大きな額の保険金を受け取れるのですが、保険金の支払には条件があり、特に「急性心筋梗塞」「脳卒中」の場合の支払条件には注意が必要です。
今回は、三大疾病保障保険の特徴と、メリット・デメリットについて解説します。加入検討の際に参考にして頂ければと思います。
目次
1. 三大疾病(読み方:さんだいしっぺい)保障保険とは?
三大疾病保障保険は、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)になった場合に、一時金として「三大疾病保険金」を受け取れる商品です。三大疾病にならなくても、死亡・高度障害状態になった場合、「三大疾病保険金」と同額の「死亡保険金」または「高度障害保険金」が受け取れます。
ただし、死亡保険金、高度障害保険金、三大疾病保険金は重複して支払われませんので、ご注意ください。例えば、がん(悪性新生物)と診断されて三大疾病保険金を受け取った場合、契約は消滅します。
なお、三大疾病保障保険を特定疾病保障保険と呼んでいる保険会社もあります。
2. 保険金の支払条件
三大疾病保障保険の三大疾病保険金支払条件は保険会社や商品によって異なる場合があります。三大疾病保障保険の加入検討時には、保険料の比較だけではなく、保険金支払条件の比較も重要です。
三大疾病保険金の支払条件は、下記の通りです。
2-1.がん
責任開始日以降にがん(悪性新生物)と初めて診断されたとき
ただし、上皮内新生物(じょうひないしんせいぶつ)と診断された場合も保険金の10%が保障される商品や、上皮内新生物と診断された場合も一時金が支払われる医療保険の特約などもあります。
2-2.脳卒中
被保険者が保障の開始以後に「脳卒中」を発病し、初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、言語障害、運動失調、麻痺等の他覚的な神経学的後遺症が継続したと、医師によって診断されたとき
ただし、脳卒中の治療のため手術をした場合や入院した場合にも保障される商品があります。
2-3.急性心筋梗塞
被保険者が保障の開始以後に「急性心筋梗塞」を発病し、初めて医師の診療を受けた日からその日を含めて60日以上、労働の制限を必要とする状態(軽い家事等の軽労働や事務等の座業はできるが、それ以上の活動では制限を必要とする状態)が継続したと、医師によって診断されたとき
ただし、脳卒中の治療のため手術をした場合や入院した場合にも保障される商品があります。
上記のように保険金支払条件が、保険会社によって異なる場合がありますので、加入検討の際には、三大疾病保険金の支払条件について特にご注意頂ければと思います。
3.保険料は死亡保険よりも高い
三大疾病になった場合の生前保障と、死亡・高度障害保障がある商品なので、三大疾病保障保険は死亡保険よりも保険料は高くなります。
≪契約例≫
被保険者:35歳・男性
保険金額:3,000万円
保険期間:終身
払込期間:65歳
商品:終身保険
月額保険料:73,860円
商品:三大疾病保障保険
月額保険料:81,930
なお、保険会社によって異なりますが、三大疾病保障保険には、終身タイプだけでなく、満期のある定期タイプもあります。定期タイプは、終身タイプに比べて保険期間が短い分、下記の通り保険料は安くなります。
≪契約例≫
被保険者:35歳・男性
保険金額:3,000万円
保険期間:10年
払込期間:10年
商品:三大疾病保障保険
月額保険料:12,150
一定期間だけ三大疾病に対する保障が必要という場合には、定期タイプをご活用下さい。ただし、終身タイプの三大疾病保障保険には解約返戻金がありますが、定期タイプの三大疾病保障保険は掛け捨てで、満期が来たら解約返戻金はゼロになります。
4. 三大疾病保障保険金は非課税
三大疾病保障保険は、三大疾病で保険会社所定の状態になれば、生前に大きな額の保険金(三大疾病保険金)が支払われますが、その保険金は全額非課税で受け取れます。
身体の傷害などを原因として支払われる給付金や保険金を受取った場合、所得税法上、金額にかかわらず非課税となります(所得税法施行令第30条第1号)。三大疾病保険金以外にもがん保険の診断給付金や医療保険の入院給付金なども同様に非課税です。
また、高度障害保険金についても非課税です。ただし、死亡保険金については、契約形態(契約者・被保険者・受取人の関係)によって、下表の通り、相続税、贈与税、所得税・住民税が課税されます。
契約者 | 被保険者 | 受取人 | 税金 |
---|---|---|---|
A(例:夫) | A(例:夫) | B(例:妻) | 相続税 |
A(例:夫) | B(例:妻) | C(例:子) | 贈与税 |
A(例:夫) | B(例:妻) | A(例:夫) | 所得税・住民税 |
参考:生命保険の死亡保険金受取人について確認すべき5つのポイント
5. 三大疾病保障保険のメリット
三大疾病保障保険は、生前に非課税で大きな額の一時金を受け取れる点が大きなメリットです。保険金の使い道は自由なので、治療費だけでなく、仕事を休む間の収入保障としても活用が可能です。
ただし、保障の範囲が広い分、死亡保険に比べると保険料が高くなる点がデメリットです。
まとめ
三大疾病保障保険は、大きな額の一時金を生前に非課税で受け取れる点が魅力の1つです。特にがんについては、一般的に悪性新生物と診断されると一時金が支払われます。
三大疾病になった場合、入院が長期化するなど、仕事ができない状態が長く継続する可能性もあります。そのような際に一時金で大きな額を受け取れる三大疾病保障保険は、治療費だけでなく、収入保障的な役割も果たすことが期待できます。
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