生命保険の告知義務違反は2年経過すれば大丈夫?(告知の重要性)
- 2017.08.07
- 生命保険
生命保険や医療保険などに加入する際には、病歴や健康状態などの告知が必要となることをご存知の方は多いと思います。
生命保険や医療保険において告知は非常に重要です。告知義務違反と判断されると、万が一の際に保険金や給付金を受け取れないことになってしまいます。告知について押さえておくべきポイントについてお伝えします。
目次
1.告知とは?
告知とは、生命保険や医療保険に加入する際、契約者や被保険者(保障の対象者)が過去の病歴(傷病名や治療期間等)や現在の健康状態、身体の障害、職業などについて保険会社に知らせることをいいます。
2.なぜ、告知が必要なのか?
なぜ、生命保険や医療保険には告知が必要なのでしょうか?
生命保険は、多数の人が保険料を出し合い、相互に保障しあう相互扶助の仕組みです。この仕組みを維持するためには、契約者間の公平性を保つ必要があります。健康状態が悪い人や危険度の高い職業の人を無条件に加入させてしまうと保険料負担の公平性が保てません。
よって、生命保険を契約する際には、過去の病歴や現在の健康状態などについて告知する必要があります。これを「告知義務」といいます。
【告知書の例】
・最近3ヵ月以内に医師の診察・診査・治療・投薬を受けたことがありますか?
・最近3ヵ月以内に入院・手術・検査を勧められたことがありますか?
・過去5年以内に病気やケガで手術を受けたことがありますか?
・過去2年以内に健康診断・人間ドッグで異常(要再検査、要精密検査、要治療、要経過観察を含む)の指摘を受けたことがありますか?
・過去5年以内に、妊娠・分娩に伴う異常で医師の診察・診査・治療・投薬を受けたことがありますか?(女性のみ)
上記のような告知書にある保険会社からの質問事項に対して、事実をありのままにもれなく記入(告知)する必要があります。
3.保険の営業マンには告知を受ける権利はない!?
告知にはいくつかの方法があります。医師の診査、質問事項が書かれた告知書を記入する方法、生命保険面接士と面談する方法などです。選択できる告知方法は、被保険者の年齢と加入する商品の保険金額によって異なります。
実は、保険の営業(生命保険募集人や保険代理店)や生命保険面接士には告知を受領する権利(告知受領権)はありません。例えば、保険の営業に病歴や健康状態等を口頭ではなしても、告知書に記入していなければ告知したことにはなりませんので、ご注意ください。
一方、診査医には告知受領権がありますので、診査医に口頭で病歴や健康状態などを話した場合には、告知したことになります。
4.告知義務違反とは?
告知義務者が故意または重大な過失によって重要な事実について告知しなかったり、事実と異なった内容を告知していた場合、告知義務に違反したことになります。
告知義務違反の場合、契約または特約が解除され保険金や給付金が受け取れません。また、保険料の払込を免除する事由が発生していても保険料の払込も免除になりません。
ただし、告知義務違反の内容と保険金・給付金等の請求事由や保険料払込免除事由に因果関係がなければ、保険金・給付金等を受け取ることができ、保険料の払込も免除になります。
5.告知義務違反も2年経過すれば大丈夫?
告知義務違反が判明した場合、保険会社は契約を解除することができますが、解除できる期間が決まっています。責任開始日(復活日を含みます)から2年経過した場合や保険会社が告知義務違反を知ってから1ヶ月以上経過した場合には、告知義務違反があっても契約を解除することはできません。
告知義務違反を犯しても2年経過すれば、保険会社は契約を解除できないため、告知の際にどんな嘘をついても契約が成立してから2年経過してしまえば、大丈夫、と勘違いされている方がいます。
しかし、約款には「詐欺および不法取得目的による無効について」の条項があり、告知義務違反が特に重大な場合、契約成立後、何年経過していても保険会社は契約を取消可能です。また、この場合、保険料の払い戻しもありません。
例えば、末期のがんの方が、故意に告知をしなかったような場合は、告知義務違反の内容が特に重大ということで、責任開始日から2年経過後でも契約が取り消されます。
尚、保険の営業(生命保険募集人や保険代理店)が虚偽の告知をするように促したり、告知をしないように勧める行為を「不告知教唆」といいます。不告知教唆の場合、保険会社は契約を解除することはできません。
6.告知があっても必ず引受不可となるわけではない
多くの方が、1つでも病歴や健康状態の告知があると、生命保険などの契約は引き受けてもらえないと勘違いされています。しかし、告知事項が1つでもあれば無条件に契約を引き受けないということではありません。
告知事項があっても、その内容によっては、無条件で引き受ける場合もあれば、特定部位の不担保や保険金の削減などの特別条件付きで契約を引き受ける場合もあります。
まとめ
告知義務違反で一番損害を被るのは、契約者や被保険者です。また、上記の通り、告知事項があったからといって無条件で契約を引き受けないわけではないので、告知の際には、保険会社からの質問事項に対して、正確にありのままを回答して頂ければと思います。
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