保険料の全期前納払いと一時払いの違いは?メリット、デメリットは?
- 2018.04.16
- 生命保険
生命保険の保険料支払方法は「月払い」、「半年払い」、「年払い」などが一般的ですが、「全期前納払い」や「一時払い」という支払方法もあります。あまりなじみのない支払方法だと思いますが、保険料はまとめて払い込むほど割安になります。
「全期前納払い」と「一時払い」は、どちらも契約時に全保険期間分の保険料を一括で払い込む方法ですが、「全期前納払い」と「一時払い」にはどのような違いがあり、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか?
「全期前納払い」と「一時払い」について解説します。
目次
1.全期前納払いとは?
「全期前納払い」とは、「一時払い」のように契約時に全保険期間分の保険料を支払うのですが、その保険料は保険会社が預かる形となり、支払期日ごとに毎年(月)分の保険料が充当される支払い方法です。充当されるまでは下記契約例のように前納保険料は未経過保険料となります。
≪全期前納払いの契約例≫
商品:終身保険
保険金額:1,000万円
保険期間:終身
払込期間:50歳払済
支払方法:全期前納
被保険者:35歳男性
合計保険料:8,030,292円
経過年数 | 保険料累計 | 未経過保険料 |
---|---|---|
1 | 8,030,292円 | 7,495,118円 |
5 | 8,030,292円 | 5,354,957円 |
10 | 8,030,292円 | 2,678,014円 |
15 | 8,030,292円 | 0円 |
2.一時払いとは?
「一時払い」とは、契約時に全保険期間分の保険料を一括で支払う方法です。一時払いは、契約時に全ての保険料が充当されるので、全期前納払いのように未経過保険料という考え方はありません。
なお、一時払いと全期前納払いでは、一時払いの方が保険料の割引率は高く、一時払いの方が保険料は割安です。「月払い」「半年払い」「年払い」「全期前納払い」「一時払い」の払込保険料総額を比較すると下記の通り「月払い」が一番高く、「一時払い」が一番安くなります。
「一時払い」 < 「全期前納払い」 < 「年払い」 < 「半年払い」 < 「月払い」
3.「全期前納払い」と「一時払い」の違い①:解約した場合
「全期前納払い」や「一時払い」で保険料を支払い、契約した後、すぐに解約した場合にはどのような違いがあるのでしょうか。
・全期前納の場合
例えば、保険料を全期前納し、契約1年後に解約した場合には、充当されていない残り期間分の保険料が未経過保険料として残っていますので、解約返戻金がある場合には、解約返戻金と未経過保険料の合計が契約者に返金されます。
・一時払いの場合
一時払いの場合には、未経過保険料はないので、解約返戻金がある場合には、解約返戻金が契約者に返還されます。
4.「全期前納払い」と「一時払い」の違い②:死亡した場合
「全期前納払い」や「一時払い」で保険料を支払い、契約した後、すぐに被保険者(保障の対象者)が死亡した場合にはどのような違いがあるのでしょうか。
・全期前納の場合
例えば、全期前納し、契約1年後に被保険者が死亡した場合には、充当されていない残り期間分の保険料が未経過保険料として残っていますので、死亡保険金とは別に未経過保険料が契約者に返還されます。
・一時払いの場合
一時払いの場合には、未経過保険料はないので、死亡保険金が保険金受取人に支払われます。
5.「全期前納払い」と「一時払い」の違い③:生命保険料控除
生命保険料控除には「全期前納払い」と「一時払い」とで、下記のような違いがあります。
・全期前納の場合
全期前納の場合、保険料は支払期日ごとに充当されますので、保険料の払込期間中は毎年、保険料控除を受けられます。
・一時払いの場合
一時払いの場合には、契約時に全ての保険料が充当されますので、保険料控除が受けられるのは、契約した1年目のみです。それ以降の保険料控除は受けられません。
まとめ:メリット、デメリット
「全期前納払い」と「一時払い」のメリット、デメリットをまとめると下記の通りです。
全期前納のメリット
・払込期間中は保険料控除を毎年受けることができる
・払込期間の途中で解約、被保険者が死亡した場合、未経過保険料が返ってくる
全期前納のデメリット
・一時払いに比べて割引率が低く、保険料が高い
一時払いのメリット
・全期前納払いのに比べて割引率が高く、保険料が安い
一時払いのデメリット
・保険料を支払った年しか保険料控除を受けることができない
「全期前納払い」も「一時払い」も契約時にまとまった金額が必要となる保険料支払方法ですが、終身保険や個人年金保険、学資保険などの解約返戻金や満期保険金がある商品の支払方法として選択すると、保険料が割安な分、返戻率(満期保険金(解約返戻金)÷払込保険料総額)も高くなります。
資金的に余裕がある方は、保険料支払方法の違いやメリット、デメリットを確認のうえ、ご自身に合った保険料支払方法を選んでいただけたらと思います。
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