法定相続人の数を勘違いされていませんか?
相続対策において最も重要なポイントの1つは、法定相続人の確認です。法定相続人の人数を勘違いしていると、色々な相続対策をしていても無意味になってしまう可能性もあります。
法定相続人の数を勘違いしやすいパターンと、勘違いにより影響が出る部分について解説します。
目次
1.法定相続人を勘違いしやすいパターン
例えば、下記の例のような場合、法定相続人は何人になるでしょうか?
上記例の場合、法定相続人は配偶者のみと思われている方がいますが、法定相続人は配偶者及び甥、姪なので、合計で4人となります。
法定相続人の人数を間違えると、基礎控除や生命保険の非課税限度額の計算が狂ってしまいます。
2.相続税の基礎控除
相続税は、被相続人(亡くなった方)の財産が基礎控除を超えた場合に、その超えた部分に課税されます。つまり、相続財産が基礎控除を超えない場合には、相続税は課税されません。
(例)法定相続人が配偶者と子供2人の場合、基礎控除は4,800万円(3,000万円+600万円×3人)
上記事例で、法定相続人を配偶者1人だと勘違いしていると、3,600万円ということになりますが、実際には、甥や姪を含めた4人なので、基礎控除は5,400万円ということになります。
法定相続人の人数を間違えることにより、基礎控除の計算に1,800万円もの差が発生してしまいます。
3.生命保険の非課税限度額
生命保険には相続税の課税対象にならない下記の非課税金額(相続税法第12条)があります。
例)相続人が配偶者と子供2人の場合、1,500万円(500万円×3人)が非課税限度額
ただし、生命保険の契約形態は、「契約者:被保険者 被保険者:被相続人 受取人:相続人」である必要がある
上記事例で、法定相続人を配偶者1人だと勘違いしていると、非課税限度額は、500万円となり、生命保険の非課税限度額をフルに活用できないことになります。
実際には、法定相続人は甥や姪を含めて4人なので、非課税限度額は、500万円×4人=2,000万円となります。
法定相続人が配偶者1人と勘違いしている場合と比べると、非課税限度額は1,500万円も違ってきます。
4.遺言があると・・・
少し話はそれますが、上記事例の場合、被相続人が「配偶者に全財産を渡す」という遺言を書くと、配偶者に全財産を残すことができます。遺留分の問題はないのかという疑問を持たれた方もいると思いますが、兄弟姉妹には遺留分はありませんので、甥や姪についても遺留分を請求することはできません。
参考:遺言があれば自由に財産を分割できる?
つまり、遺言を書いておけば、配偶者に全財産を残すことが出来るとともに、兄弟姉妹(甥姪)分の基礎控除や生命保険の非課税枠も活用できます。
具体的な遺留分の割合については、下表の通りです。
法定相続人 | 遺留分 | |
---|---|---|
配偶者のみ | 配偶者:2分の1 | |
子供 | 配偶者あり | 子供:4分の1 配偶者:4分の1 |
配偶者なし | 子供:2分の1 | |
父母 | 配偶者あり | 父母:6分の1 配偶者:6分の2 |
配偶者なし | 父母:3分の1 | |
兄弟姉妹 | 配偶者あり | 遺留分なし |
配偶者なし |
まとめ
一度、正確な法定相続人をご確認され、基礎控除や生命保険の非課税限度額について勘違いされていないかをご確認頂ければと思います。
- どのような保険を選んだらいいのかわからない
- 今、加入している生命保険が、どのような保障内容になっているか確認してもらいたい
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