生命保険や医療保険、がん保険は、申込の手続き後、いつから保障が開始されるのでしょうか?
また、生命保険や医療保険には「契約日」や「責任開始日」という用語が出てきますが、それぞれどのような意味があるのでしょうか?
今回は、生命保険や医療保険などの保障がいつから開始されるかについて解説します。
目次
1.責任開始日(期)とは?
責任開始日(期)とは、保険会社が契約上の責任を開始する日をいいます。つまり、保障が開始される日です。失効後に復活した契約の場合、復活日が責任開始日 (期)となります。
参考:生命保険の失効とは?復活できる?
契約上の責任が開始されるためには、保険会社の承諾が前提となります。保険会社が申込みを承諾した場合、責任開始日は、「申込み」「告知・診査」「第一回保険料の払込み」が完了した日となります。
なお、約款に特に定めがない限り、健康状態などを契約時などに正しく告知していても責任開始日 (期)前に生じた病気やケガを原因とする場合、高度障害保険金や入院給付金など(死亡保険金は除く)は、受け取れないのが一般的です。
2.契約引受前の死亡や入院は保障対象?
保険会社が契約を承諾する前に保険事故(被保険者(保障の対象者)の死亡や入院など)が発生した場合、保険金や給付金は支払われるのでしょうか?
上図のように保険事故前に「申込み」「告知・診査」「第一回保険料の払込み」が完了していてかつ、もしもその被保険者となる方が死亡や入院などをしていなければ、契約を引受けできたであろうと認められる場合、保険会社は契約を引受けていたものとして取扱い、保険金や給付金を支払います。
3.契約日とは?
契約日とは申し込んだ契約の起算日のことです。契約年齢や保険期間などの計算基準日となります。保険料の払込方法によって責任開始日がそのまま契約日になることもあれば、責任開始日の翌月1日を契約日とする場合もあります。
よって、責任開始日と契約日が同一ではない場合があります。
4.責任開始期に関する特約とは?
上記の通り、原則、生命保険の保障は「申込み」「告知・診査」「第1回保険料の払込み」の三つの要件が全て満たされた時点から開始されますが、「責任開始に関する特約」を 付加された場合には、「申込み」および「告知・診査」の双方がなされたときから保障が開始されます(保険会社の承諾が前提)。
つまり、「責任開始に関する特約」を付加していれば、第一回保険料を支払う前から保障が開始されます。
「責任開始期に関する特約」は、保険料無料で付加できます。
なお、「責任開始期に関する特約」は対象となるのが個人契約のみで、法人契約の場合には、付加できない保険会社があります。また、保険料払込方法によって付加できない場合もありますので、ご注意ください。
5.がん保険の責任開始日は?
がんの保障には、責任開始期日に関して例外があります。がん保険や三大疾病保障特約・三大疾病保険料払込免除特約のがんによる保障については、契約が成立してから保障がない待機期間(待ち期間)があります。
待機期間(待ち期間)90日間または3ヶ月です。よって、がん保険や三大疾病保障特約・三大疾病保険料払込免除特約のなどのがん保障は、待機期間終了後が責任開始日となります。
まとめ
「責任開始期に関する特約」を取り扱う保険会社が増え、第1回目の保険料を支払わなくても保障が開始されるキャッシュレス契約が増えています。
しかし、「責任開始期に関する特約」の対象外となる契約や「責任開始期に関する特約」の取り扱いがない保険会社もあります。
「責任開始期に関する特約」がなない場合には、従来通り、第1回目の保険料支払いがなければ保障は開始されませんので、ご注意ください。